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※WAVE!!はアニメ以外にも、即サ終したアプリやドラマCDなど色々あるんですが、今回はアニメのみの感想です。
お久しぶりです。夏が来ましたね。
夏と言えばサーフィン!(急)
去年狂ったようにハマった「WAVE!!」。
TwitterのTLにながれてきた色黒のハワイアンサーファー・田中がかっこよくて軽い気持ちで見たんですけど、海じゃなくて沼が待ってましたね、、、。
タイトルに「サーフィンやっぺ!」とある通り一応サーフィンアニメなんですけど、
✖主人公がサーフィンに惚れ込み打ち込む王道青春スポーツ物
◎主人公が少年に惚れ込み追いかける片思い物
(BLアニメではないし恋ではない。ブロマンスの片思い版みたいな感じかな。便宜上片思いと呼ばせてくれ)
どういうことか?こちらをご覧ください。アニメの冒頭の映像です。
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わかる?こんなん、ほぼ恋じゃん。いやBLアニメじゃないんだけど、恋のような、熱い憧れの感情を抱いてますよね。ここから始まる少年の青春、見守る以外の選択肢ある?ない。腐女子はもちろん、片方が特大矢印を向けている関係性が好きなオタクは絶対ハマると思う。
~あらすじ~
茨城・大洗に住む中学生・マサキは、日課である愛犬との海辺散歩中、サーフィンをする王子様みたいな美少年・ショウに出会った。「あの朝、波に乗るあいつを見たときから、俺の運命は決まった。」の言葉どおり、マサキにとってショウとの出会いは人生を変えてしまう出来事になった。
ショウは転校生としてマサキのクラスに現れる。マサキはサーフィンを始め、マサキ・ショウ・田中の3人でサーフィン漬けの日々を過ごす。そんな日々が続いたある日、ショウが、、、
以下、長文のネタバレありの感想や分析です。
視聴前に確認したいサーフィン知識
1周目はサーフィンというかスポーツ業界の知識がなさすぎて彼らの成長がよくわかんなかったんですよね(最低)。アニメ見る前に知っておいたほうがいいことをざっくりまとめておきます。
フリーサーファーとコンペティションサーファー
フリーサーファーは趣味のサーファーです。マサキの親友・田中ナルはこちら。勝ち負けのためにサーフィンやってるわけではないので、今まで大会への出場経験はなし。
コンペティションサーファーは大会に出て、勝つためにサーフィンをしている人たちです。実際、プロを目座してるコウスケや、オリンピックに出たいショウ、フケは大会に出てどんどん実績を積んでいます。サーファーはサッカーや野球と違ってプロチームに入るとかそういうのないから、本業で学業をしながら大会に出て実績を積み、強化選手に選ばれたらオリンピック目指せるし、プロ資格とればプロとして大会に出られるらしいです。
オタクのナオヤや、サーフショップの息子であるユータは大会にはでていますが、将来プロやオリンピックを目指している様子はありません。この辺りの人たちはフリーとコンペティションの中間なのでしょう。
うぇーぶの時系列
コウスケのボードに小さく書いてある「1998」、これを彼の生まれ年だとすると、作中でマサキらが目指す「世界大会」がオリンピックなのではないか?と予想することができます。
1998 コウスケ、ナオヤ生まれる
1999 マサキ、ナル、ショウ、ビル、フケ(?)生まれる
2000 ユータ早生まれ
2013 中2の9月ショウが転校してくる
2014 大洗フォレストカップ
ショウ失踪
2015 マサキ、湘南の高校へ入学
釣ヶ崎フォレストカップ
冬のハワイ特訓
2016「4年後の世界大会」に向けての強化選手決定大会
2020 マサキら21歳、コウスケら22歳になる
(ちなみに2021オリンピック銀メダリスト・五十嵐カノア選手は23歳なので、うぇーぶの登場人物と同世代と言えます)
うわ〜!!こう考えるとアツすぎる、リアルすぎる。
うぇーぶって、本当にキャラが生きててすごい、、、。
(ちなみに、毎週配信のボイスドラマで、中学生のマサキたちがAKBやスギちゃんの話をしてました。これは本当に平成の中学生ですわ、、、と世代感のリアルさにびびり散らしました)
うぇーぶがスポーツアニメじゃない理由
散々書いたとおり、どう考えてもマサキはショウに友情と憧れ以上の感情を抱いています。恋ではないけど、マサキにとってショウが一番特別な存在なんです。証拠、あつめてみました。
① 親友・田中ナルにいくら誘われても始めなかったサーフィンを急に始める。
② マサキはショウの言動に照れることはあってもナルに照れることはない。
③ナルに最初「なんで今更サーフィン始めたんだよ」って聞かれたとき、ショウを見たからと打ち明けられてない。普通に言えばいいのに、「別になんでもいいだろ!」みたいな態度を取っている。これに関しては思春期特有の強がりの可能性も捨てきれない。
まずここまでの時点で、親友田中への思いと、ショウへの思いが明確に違うことが分かります。
④サーフィン王者フケ倫道のほうが圧倒的に上手いのに、マサキの心のなかにいるのはいつもショウ。フケの回転業を見て反射的に「ショウもできるんだろうな」と思っている。
これで、マサキがショウに憧れる理由が「サーフィン上手いから」ではないことが分かります。
⑤ マサキはショウがいなくなってからサーフィンを辞めようとする。
サーフィンに打ち込んで忘れようとかそういうのゼロなんですよ。それどころか「サーフィンはショウを奪った」と考えています。マサキが好きなのはサーフィンじゃなくてショウだと分かります。
⑥サーフィン再開してもショウのことが頭から離れない。ショウの兄・ハヤミチに「お前はショウにはなれない」と言われショックを受ける。
⑦最終話ラスト、マサキの「ショウ、見ててくれよ」
ショウになれないことを受け入れた後もショウへの思いが強いことの何よりの証拠。ラストにこれを持ってくることで、WAVE!!アニメがマサキとショウの物語だとわかります。
⑤、サーフィンアニメとしてかなり罪ですよね。別にマサキはサーフィンじゃなくてもよさそうなんです。たまたまサーフィンをするショウに惚れてしまったからサーフィンをやることにしたし、ショウとの約束を守るためにサーフィンを再開した。
いやまあこの世のすべての出来事に"〇〇じゃないとだめ!"という理由は無いのはわかってるんですけど、それにしたってマサキがサーフィンをやる理由においてショウが占める割合が大きすぎる。
最近ウマ娘1期見たんだけど、あれはスペシャルウィークが自分の夢・日本一のウマ娘を目指すという夢に向かって努力するストーリーになっていました。憧れのスズカへの執着心が強すぎて負けてしまった状態から、スズカの試合を見に行かずに自分の練習をする状態まで成長し、スポ根アニメらしい成長が見られましたよね。
これと比べちゃうと、マサキがサーフィンやるのはショウみたいになりたいからだし、中3時点の大会出るのは思い出作りのため。あくまでもサーフィンはショウと繋がるための手段でしかないように思えます。
メインテーマであるサーフィンが手段で終わっていいのは、サーフィンが趣味性の高いスポーツだからだと思います。世界大会目指してたじゃん、とかじゃなくて、集団に所属しながら行う部活スポーツアニメだったらここまでマサキからショウへの思いにフォーカスしたストーリーにできなかったはず。
片思いストーリーと、いつやめても誰にもとがめられないスポーツ。これはすごく相性がいいですね。サーフィンを通じてボーイ・ミーツ・ボーイの青春を描いたうぇーぶに拍手!
起承転結から考える物語の主題
↑で、うぇーぶはスポーツアニメじゃなくて片思い物語だ!という主張は伝え終わりました。じゃあ、メインテーマはなんなのか?サーフィンを通じてなにを描きたかったのか?
わたしは、「憧れを追い越す」という成長を描きたかったのだと思います。
なぜか?わたしの考える物語の「転」の部分が、ショウの兄・ハヤミチに「お前はショウにはなれない」と突き付けられたシーンだからです。
もう一度ストーリーを振り返ってみます。
~大洗編~
マサキ、ショウと出会う
サーフィン始めて楽しい毎日
大会で思い出作り
ショウいなくなる
サーファー仲間の励ましでサーフィン再開
~湘南編~
湘南の高校でサーフィン漬けの日々が始まる
新しいサーファー仲間との絆を深める
大会で思ったより世界にいくのは難しいと思い知る
~ハワイ編~
ショウの兄ハヤミチとの出会い
「お前はショウにはなれない」
スランプ
ショウの概念の声(?)「見せて、マサキのサーフィンを。」
スランプ脱出
帰国後、晴れやかな気持ちで大会へ。「ショウ!俺は先に行く!」
何度でも書きますが、マサキはずっとショウみたいになりたくてサーフィンしてたんです。それを崩したのはハヤミチの言葉。つまり、
起:マサキ、ショウと出会いサーフィンを始める
承:トラブルがあっても、ショウみたいになりたくてサーフィンを頑張る
転:ショウにはなれないと思い知る
結:自分のサーフィンをすると心に決める
こうなりますね。
憧れのショウみたいになりたかったけど、いなくなったショウを追いかけるのをやめて、自分のスタイルを確立していく。この成長がうぇーぶの物語の中心だと思います。そう思うとすっっっっっっっっっごく尊い青春アニメですね、うぇーぶ。
長文失礼しました。とにかく沼だったこのアニメの感想文を世に残しておきたかったんです。さて、ためてたPixiv FANBOXのストーリーを読もうかな♪