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イケメン大好きオタクの感想文

過去イチ怖い社会派乙女ゲ【陰キャラブコメ】番井&ash 感想と考察

フォロワーにオススメされて始めた陰キャブコメ
私もオタクだから共感できることが多いかも〜♪と甘く見ていて後悔しました。そこにあるのは、ありとあらゆる差別、色んな欲求を拗らせた人々、現代社会の闇を煮詰めたような地獄……。大変なゲームに出会ってしまいました……。

まずプロローグがSDGsのために陰キャが殺されかけるという衝撃のストーリーで白目を向きそうになりましたが、なんとか乗り越えました。プロローグだけでカロリーをこんなにも消費するとは思わなかった。

↑地獄のSDGsで草。注意事項に「差別」が入ってるゲームだけある。
カードやポスターで紙を消費するオタクにNOを突きつけるのに、武器に紙を使うことは許されると思っている傲慢な陽キャが憎らしいです。

 

本編はオタサー姫ライフを満喫するハッピーおバカラブコメディかと思っていたら全然そんなことはなく……… 

主人公「イキリ陰キャを理解(わか)らせたくて、私の心と身体は常に疼き続けている」

怖いよ〜~ッ!!!
そこそこ友達はいるけど陽キャのことを怖がる、そんな"やや陰キャ"の主人公が、ガチ陰キャに対して支配的な感情を向ける構図が最初から怖い。力のない幼児を性的対象にするロリコンショタコンや、従順な相手を手懐けたいモラハラ人間と同じタイプだよ…。ここまで書いて具合が悪くなってきました。


以下、ネタバレ感想&考察です
私の攻略順に書いていきます。

 

 


承認欲求えぐ。番井孝人√

初めにに選んだのは番井孝人さん。
眼鏡で陰キャっぽいけど、そこそこイケメンで、長身で、丁寧な人…オタクが好きそう!フォロワーも狂ってたし、陰ラブ初心者に向いてそう!!と思ったのが間違いでした…。

結構序盤で「服見るのが好き」と言っていたからコスプレイヤーなのかな〜?と思ったら全然違った。
彼はまさかの炎上系ミーチューバー!!
乙女コンテンツでインフルエンサーキャラが出始めた時代ではあるけど、こういう社会派炎上系インフルエンサー、嫌〜〜〜〜ッ!!優しそうな人の裏の顔、という展開はありがちなのかもしれませんが、ここまで嫌な面を持ったキャラを乙女ゲームで出すか??とビビリ散らしました。

番井さんは一言で表すと「承認欲求拗らせ陰キャ」。

番井さんがタカヒトを辞められない理由は物語序盤で話してくれましたね。「タカヒトを生きがいにしている人がいるから」とのでした。この時点で彼のエネルギーは他者からの注目と賞賛であることがわかります。そう、承認欲求が強いのです。
「この世界には神がいなくとも俺がいる!」と自分を神のように見せかけ、決定的な罵倒は口にせずとも明らかに悪意のある投稿を繰り返す。そして、オーディエンスはタカヒトに触発されて色んな人を叩く。そのループは本当に汚いものですが、タカヒトを辞めることはできません。辞めようとも思っていませんでしたね。
番井さんは自分のことを高尚な人物だと思っていますが、特に高尚ではないでしょう。決定的な罵倒をしなくとも、動画のネタとして色んな事件を取り上げ、野次馬に餌をばらまいて世界の闇を生み出している時点で、高尚でも何でもありません。炎上系インフルエンサーの一部です。番井さんが他の炎上系インフルエンサーを見下していたとしても、それはどんぐりの背比べだと思います。

そんな番井さん、HAPPY END「再生」では上手くタカヒトの面を出してくれましたね〜!!!ぼったくり居酒屋で困っているときに、なんとかして好きな子を助けようとするためにタカヒトに変身して救ってくれるの、普通にヒーロー。輝いている。きっと今までも、事件の被害者は犯人を叩いてくれるタカヒトがヒーローのように見えていたことでしょう。ぼったくり居酒屋から出たあとに「俺の愛しい○○」と口に出してしまうところも良すぎ。タカヒトモードに入ってるときは自信満々で思ったことをバンバン口に出せるんだね。オタクはニッコリしました。こちらのハピエンでは主人公も「(タカヒトを)やめなくてもいい」と言っていますし、しばらくはこのままタカヒトを良い具合で続けるのでしょう。

しかし、BAD END「BAN」はキツい〜〜〜〜!!今まで見たどのバドエンより精神的にきつい。人が死ぬエンドよりもきつい。
他人をネタにして蔑む人って、自分のことを正しく尊い存在であると思いがちですよね。タカヒトがまさにそれです。皆自分のことを悪者だとは思いたくないですもんね。タカヒトが叩いた歌い手が自●してしまい、そのせいでタカヒトが叩かれたことで番井さんは傷ついていました。口では「本当に正しいことなんてこの世にない」と言う番井さんでしたが、心の奥底では無自覚に自分が正しいと思っているのでしょう。番井さんは歌い手が自殺したと知った瞬間は絶望しておらず、自分へのコメントを読み始めてから絶望していたのです。
そうですよね。番井さんは承認欲求の強い人ですから、自分が世界から見放されることが何より辛かったのでしょう。出版社に突き放され、仲良くしていただいだいに正論で刺され、オーディエンスからも叩かれ、憧れのほりあきにも叩かれ……耐えられないですよね。そんなときに入る「僕は、会長さんと話すのが好きだ。」というモノローグ怖すぎました。番井さんは、この瞬間から精神的に主人公に依存し始めたのだと思います。そして「(認められないのは)数字が足りないからだ」という思考回路に陥ってしまいましたね。好きな人に好きになってもらいたいならもっとデートに誘うとかすればいいのに、それができない受け身の恋愛観が陰キャですね。もしかしたら、両親に結果出さないと認められなかったとかそういう過去があったりするかもしれません。
この√の主人公は、「タカヒトをやめるべき」と言っているのに、タカヒトに「私がいるからいいじゃないですか」とタカヒトを続けさせます。しかも下品なカップルチャンネルとして。これは意図的にタカヒトを社会から切り離して、自分に依存させようとしていますよね。
番井さんは、出版社やオーディエンスから見放され、承認欲求を主人公に満たしてもらおうとします。依存ですね。主人公にだけは見捨てられたくないから、主人公のいいなりになって、人間としての尊厳をなくすような下ネタ動画をミーチューブにあげてしまうのです。主人公の「今日こそは帰りますからね」で、何日も帰らせないくらい依存していることがわかります。
こんな動画を上げこんなにも依存している生活を続けたら、間違いなく大学退学させられるだろうし、就職もできません。世界から見捨てられて主人公しか縋れる人がいなくなった番井さん、これからの人生どうなるのでしょうか。考えただけで目眩がしそうです。

「終わりなど、■え■■ない」
は、何なんでしょう。私は初見で「考えたくない」かな?と思いましたが、そんな生ぬるいものではないような気がします。

こんな愚か者を真綿で包んで社会的に殺すのが癖なのか?主人公…………。


救いのない悪夢。ash √


番井√で「相手が望まない限り、助けたいなんてお前のエゴだろうが」という名言を繰り出したり、タカヒトを煽りまくるだいだいを止めたりしていたashさん。暴言吐いてるけどまともな人なのかも〜!ツンデレ枠かな〜!と気になってプレイしましたが、

暴力

ワ〜~ン!!ひどいよ〜!!!
しかも、物語全体が、主人公の「あのときの暴力について謝罪して欲しい」という願望で出来上がっています。全然ツンデレでもなんでもないしときめかん〜!!!
こんなashは陰キャなのか?ただの攻撃的コミュ障では?と思いました。
そう育ってしまうのも仕方ないような環境に置かれたのは不幸でした。

男らしくあることを強制する両親、そして口の悪い父。
ashがトランスジェンダーなのか女装が好きな男性なのかは名言されていませんが、とにかく可愛い花柄のワンピースに惹かれたのは事実。そのことを怒られて幼少期に病院に連れて行かれるのは本当にトラウマですよ。それでも女装配信者もえかとして活動をしているあたり、本当に女性の格好をするのが大好きなんだと思います。ただ花柄の服を着たいだけだったら今着ている花柄シャツで満足していると思うので、ashが女性の格好をしたいことは明らかですね。
でも両親は「男なんだから男らしくしろ」(本編では↓↑とかで表されていましたね)と、ashの服の趣味、話し方、恋愛、全てに口を出してきます。家庭内で「二十歳超えて童◯は恥ずかしい」とか言う親がいる家庭地獄すぎて無理(泣)。
女性の服が着たい。(あるいは、女性になりたい)
でも男らしくあることを強制される。
そんな辛い環境の中だったからこそ、ashは"男らしさ"を得ないといけないと無意識に思い、「女のくせに」と女性軽視したり、暴言を吐いたり、マスストで勝とうとしているのだと思います。
そうです。私は、ashがマスストをやるのも"男らしさ"を求めての行動だと考えます。
ハッピーエンドでは「マスストのあの大会を見たときに脳がやられた。俺はプロになりたい」と言っていましたが、私はアレ、本心ではないと思います。ash本人もそう思い込んでいるけど、心の奥底では別にマスストのプロなんて望んでないんじゃないでしょうか。だってashは、誰も見ていないところではマスストをやっていないから。ashの心の声みたいな龍(?)が言っていましたね。
マスストは闘って勝ち上がるゲーム。闘い/勝負/勝利/上昇……これらはステレオタイプ的な男らしい性格の人間が好きそうなものです。ashが男らしくありながら興味を持てるものがマスストくらいだったんじゃないかと思います。そして、闘いの世界でプロになりたいという夢を叶えたら、男らしさの証明になる。だからマスストのプロになりたいと無意識に考えてたのではないか…………と思いました。
そう考えると、BAD「flower died」で毎日女装配信していることに納得がいきます。主人公に全否定されて何もかもわからなくなったashは、「どうして、らしくありたくないのに、××は■■■■に固執し続けていたのか」とモノローグがありました。これ、「俺は男らしさに固執し続けていたのか」ですかね?自問自答の結果、引きこもり・学生証晒し・女装エロ配信という自滅トリプルコンボをキメてしまいます。もう見てられないよ!!!!!!(泣)えぐい配信をしても主人公にだけは縋ることができた番井BADとは違い、こちらのBADは救いが一つもない。両親は引きこもりの息子に文句言いまくるだろうし、身分晒してエロ配信なんてしたらもう外に出られないし、一生引きこもるしかなくなってしまいます。もう、ashは消えたし、皆のおかずもえかちゃんは佐伯優だとバレ、居場所は自分の部屋だけ。完全なるBADです。
ア〜〜〜〜〜〜ash√辛すぎるンゴ〜〜〜〜〜〜。助けて。

🫵←もうね、この指を差す動きがトラウマですよ。
不幸な環境に生まれ、不幸な教育を受け、そのせいで他者に迷惑をかけて、報いとして精神的にボロボロにされる。救いがない。

 

ここまで二人の感想や考察を書いて、めっっっちゃ疲れました。
陰キャ"ラブコメ"じゃないですよね?
社会派でシリアスで闇が深い、陰キャ鬱ゲーです。
はあ、、、しんどい、、、ストーリーが心に刺さりまくって抜けない、、、。
次回は怖そうな西村と、この作品の顔であるだいだいの感想を書く予定です。